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No.008『ノアの方舟』

気が付くと、私は暗闇の中、椅子に座らされていた…。

目が、開かない…。手が動かない…。
目隠しをされ、手錠を嵌められているのだ。

周りに人の気配がする…。

「…だ、誰、ですか…?」
恐る恐る言ってみた。

「ああ、すみません、もう目隠しを取って構いませんよ。」

若い男の人の穏やかな声が返って来た。
若いと言っても、多分、私の方が年下だけど…。

私は、手錠が掛かった両腕を顔の前に挙げてみせた。

「…あぁ、失礼…。津田君、取って差し上げなさい。」

いいんですか?いいんじゃない?

小声でそんなコトを言い合いながら、津田という人が目隠しと手錠を外してくれた。

うあっ、眩しいっ…。

私は真っ白い部屋の真ん中に置かれた机の前に座っていた。
机を挟んで向いにはメガネで白衣の男が座っていた。
その隣が、津田君か?
津田君はスーツ姿で、新入社員っぽい雰囲気だった。
二人の背後に、この部屋唯一の外界との連絡口と思われる、ドアがある。
白い直方体のこの部屋には他には何も無かった。

「ご気分はいかがですか?」

メガネが何の説明も無しに、いきなりそんなことを聞いてくるので腹が立った。
私は思わず立ち上がってちょっとキレ気味にこう言った。

「あなた、誰ですかっ!?
ここドコですか?!
なんで私、こんなトコに居るんですか!?」

「…はい、じゃあ、今から説明しますから、まぁ座ってください。
あと、幾つか簡単な質問をさせてもらいますので、分かる範囲でお答えください。」

って…こっちがこんなにエキサイトしてんのに…、
何?この温度差…。
私は拍子抜けして、ふて腐れながら崩れるようにして席に着いた。

「では、まず、あなたのお名前と年齢を言ってください。」

「…なんで?」

「名前と年を聞くだけですよ。他意はありません。
あー…では、質問を変えます。
あなたは君嶋 佳織さん16歳…で、間違いありませんか?」

「…知ってんじゃないスか。…てゆーか、あなた誰なんですか?!」

「私は三上といいます。こっちは津田です。」
「津田です。」

「あ、ども…。あ。で、ココは何ですか?」

「その説明の前に、こちらの写真をご覧ください。何が写ってますか?」

「…私の両親。」

「はい、ではコレは?」

「都知事。」

「コレは?」

「ウチの学校。」

「コレは?」

「ドラえもん。」

「では、最後に、今日は西暦何年何月何日ですか?」

「えーと、2005年の…1月、…え?私、ココに連れて来られて何日目?」

「…半日です。」

「…んじゃ、26か7かな?」

「はい、結構です。
それでは本題に移りますが…、
我々は、とある非政府組織の者でして、
今、進行中の大型プロジェクトにご協力頂ける優秀な人材を全世界で募っている最中なんですよ。」

「はい…?もしかして、新種の詐欺かなんか?
…つーか、私、拉致られてますよね?」

「まぁ、話を聞いてくださいよ。
TVや映画とかでよく見るでしょう?
環境破壊や天変地異で人類滅亡する話。」

「ええまぁ…。」

「環境汚染や電磁波、生活習慣、生活環境等の変化が人体に及ぼす悪影響…、ホルモンバランスの乱れとか、免疫力低下といった話は?」

「まぁ、聞いたコトは…。」

「実はこういった話は、SFなどではなく、現実問題としてかなり切迫した状況でしてね。
既に何世代か前から他人事ではなくなっているんですよ。」

「はぁ…。でも明日にでも地球が爆発するってワケじゃ無いんでしょ?」

「わかりませんよ?この星が抱えてる爆弾は核や地雷ばかりじゃないんですよ。
それに何か起こってからじゃ、どんな対策であれ遅過ぎるでしょう?」

「まぁ、そうですが…。」

「そこで我々は来るべき人類滅亡のシナリオを回避すべく、今、最も優良な遺伝情報のサンプルを後世に残していく計画を進めているのです。
そして検査の結果、君嶋佳織さんのDNAは特に優良であることが判明致しまして、こうしてお越し願ったわけです。」

「ええっ?!そんなバカなッ?!
親も親戚も先祖もフツーのヒトばっかなのにー?!
私だって、フツーに学生なんだけど。
成績もちょいヤバめだし?」

「…それは単にあなたが自己鍛錬を怠っているからでしょう。
先天的なポテンシャルのみで言えば約30億の登録リストの中でも総合的に見て、トップレベルですね。
何かひとつの分野に秀でている、というのではなく、全体的にバランスが良く、生物、医学的に見て極めて理想に近い人体と言えます。」

「マジですかっ…。私って、実はスゴかったのね…。
あの…ところで、私、そんなモノに登録なんてした憶え無いんだけど…?」

「ええ、そうでしょうな。
ですが、過去に病院等で予防接種や採血をされた経験はお有りでしょう?」

「そん時にかッ?!…え?あれ?、ちょっと待ってよ。
既にDNA取得済みなら、今日私は何でさらわれたワケ?」

「まぁ、それこそが本題中の本題なのですが…、
ちなみに、あなたから得たDNAをどう活用するか、分かりますか?」

「さぁー。えーと、後々、クローンとか作るんじゃないの?ヒツジみたく…。」

「そうですね。まぁ、言ってしまえば、表立っては羊のクローニング成功ってところまでですが、裏では勿論、既に人間のクローンも作られています。」

「あー、やっぱりね。」

「理論上はオリジナルと何ら遜色の無い完全なコピーを作ることが可能なはず…ですが、
実際、現段階では未だ完全なクローニングの成功に至ってはいません。
何故だか分かりませんが、クローンは極端に寿命が短く、肉体も不安定なのです。」

「…へぇー。…?」

「今後、研究を続けていけば、いずれクリアになる問題かもしれませんが、しかし何の確証もありません。
当初はコピーのためのDNAサンプルのみを保存していれば問題無いかと考えていましたが、
完全なオリジナルの原版が必要なケースも出てくる可能性が無いとは言えないため、
万が一の保障としてDNA提供者であるあなた自身も貯蔵しておきたいんですよ。」


「ぇ……。…はぁっ?!!」


「地球規模の災害をも想定して、あなたがたをいつでも宇宙に射出できるよう、宇宙船の準備も既に完了しています。
我々はそれを『方舟』って呼んでるんですがね。はっはっは。
…えー、さて、どうですか君嶋さん?
この計画に賛同していただけますか?」

「あのっ…、ちょっと、フザけないで下さいって!賛同するワケないっしょー?!
地球が滅ぶったって、現実的に考えて、私がフツーに死んでから何百年も先の話でしょーがっ!
そんなの、ン百年後のヒトにやらせりゃいいじゃんか!」

「えー、さっきも言いましたが、人間の進化はもうピークを過ぎて行ってるんです。
あなたの世代でギリギリです。
加えてあなたがそれ以上年齢を重ねたら検体としての価値が下がります。
今しかないんです。」

「絶対イヤですって!
人類滅亡とか知ったこっちゃないっスよ!
私には私の生活やら将来設計やらあるんですから!」

「イヤですか。まぁ、あなたに選択権は無いんですけどねぇ。」

「!!…、…私をムリヤリ冷凍庫に閉じ込めようっての…?
だからこんな人攫いみたいなマネして…、
最初からそのつもりなら、こんな回りくどい尋問とか、やんなきゃいいじゃんかよ!?」

「ええ、まぁ…、確かにあなたの意見を聞く気は最初からありません…、
ですがこの審問は、これはこれで、ちょっと試験も兼ねてまして…、
そのついでに被験者の意識調査もさせていただいてるというワケですよ。」


「…何?どういう…意味…?あっ… ぅう…っ? …ぇ…???」


何…?
急に眩暈が…頭痛が、吐き気が……

体中が焼けるように熱い…?!


「おや?君嶋さん、どうされましたか?ご気分が優れないようですが…?」

…く、苦しい…、痛い…、

私の両手が…みるみるシワになって黒ずんでいく…。
た、助けて…。

「ご理解いただけましたか?
ご覧の通り、これが今の我々のクローン技術の限界なんですよ。
オリジナルの方は我々が責任を持って厳重に管理致しますから、どうかご安心ください。
必ず人類の未来に役立ててみせますよ。
後は我々に全てお任せください。
それでは君嶋佳織さん、お疲れ様でした。ご協力に感謝致します。」




『ノアの方舟』:yosssy(2005/01/29)
by YosssingLink | 2005-02-04 00:56 | ショートショート | Trackback(1) | Comments(6)

No.007『REVERSE⇔REBIRTH』

…何だ、これは…?
一体、どうなってる…?!

人が、車が、街の通りを後ろ向きに過ぎてゆく…!?
それも一人や二人じゃない!
街を往来する全ての人や車が、後方を確認することもなく、「後退り」している…?


いや…、人や車だけではない…!?

空を飛ぶ鳥も…
噴水から流れ出る水も…
まるで逆回しで再生されたフィルムのように、本来在るべき方向とは逆の向きに流れていく…。
音も変だ。
周囲の音が全て逆回転のレコードのように聞こえる。
私は左腕の時計を見た。
秒針が左回りで正確なリズムを刻んでいる。
通常の1秒間隔…だが、『逆回り』だ…!

これは…時間が…、いや、この世界全てが、逆流しているのか…?

視線の向こうに見える、私が長年勤めている会社の社屋が徐々に遠ざかっていく…。
私も「逆流」しているのだ。
…ということは、これから向かう先は…、
いや、今は自宅から会社に出向いている最中で、
…つまり、自宅に戻っているということか…。

わけが分からないまま、私は自宅に辿り着いた。

程無くして息子の健一が帰ってきた。
…違う、帰ってきたのではなく、学校へ行く前の状態に戻ったのだ。
私が食卓に着くと、妻がテーブルに朝食を並べ…、いや、これは片付けてるところか…。

妻と息子と3人で朝食を囲む。
いつもと変わらない、朝の風景だ…逆回しだが…。
そして、いつも通り、一言の会話も無く、一瞬で朝の団欒が終了した。
妻は私に無愛想だし、息子は反抗期の真っ盛りだ…。
これもいつものことだ…。

食事が済むと、いや、食べる前に戻ったんだ…もうそんなことはいちいち気にしてられないな…。

私は寝間着に着替え、床に着き、手動で目覚しを鳴らし、鳴り終えたと同時に一瞬で眠りに入った。


前日の夜、まどろみながら、緩やかに「目覚め」ていき、「二日目」が「始」まった…。
やはり私は、自らが歩んできた人生を遡っている…。
その日も一日が逆向きに進行して…つまり、退行していったわけだ。
逆流だが、確かに身に覚えのある一日だった。
もっとも、私の人生なんて毎日が同じことの繰り返しで、特に事件でもない限り、一日一日を正確に覚えているわけではないのだが、どの瞬間を切り取っても、確かに私の人生の一部だという、既視感めいたものが常にあった。

これからずっと、私は…、私の人生は、逆流していくのか…?

今、私は五感を伴って、リアルタイムに人生を逆流している…。
意識も自我もあるのだが、行動は制御できない…。
今まで歩んできた通りに、同じ経路を正確に辿りながら戻っているのだ。
人と会話することがあっても、逆回しの音声では何を言ってるのか分からない…。
だが、かつて交わしたはずの会話だ…。
正確に思い出せなくても、前後の状況はその都度記憶が蘇ってくる。
行動は全て自動的なので、例えるなら「電車に揺られて流れる外の風景を眺めている」状況に似ていた。

月日を重ねていくにつれ、私はこの異常な状況に馴染んでいった。
最初は全く理解不能だった逆回しの音声も、違和感無く聴き取れるようになった。
毎日同じだと思っていたが、こうして違った形で追体験してみると、いろいろな発見があったりするものだ。
どうしても思い出せなかったことや、すっかり忘れてしまっていたことも、おかげで確認することが出来た。
代わりに二度と思い出したくなかったことをまた味わったりもするが、一度目ほどショックではなかった。

そのまま年月が過ぎて往き、私は今の状況に疑問を感じることもなくなっていった…。

時間が逆に流れているのだから当然と言えば当然だが、私は年月に比例して年若くなっていった。
無論、妻の早紀も、息子の健一も日ごとに若返っていく…。
特に健一の変化は顕著だった。
「育ち盛り」と言ったら語弊があるだろうか…?
身体的な変化もさることながら、あれほど反抗的だった息子が素直に話を聞くようになっていった。
健一が小学校低学年に戻る頃には私もかなり体が軽くなっており、二人でよくキャッチボールをした。
「逆流」でもキャッチボールは、そのまま、キャッチボールだった。

健一のボールをキャッチしながら私が言った。
「。…あなどぅゆしんねすぅゅかよるぷぁうぃあるぉょぃすっ」

フッ…ベタなことを言う…、私も親バカだな…。


健一の背丈はどんどん縮んでいき、そのうち言葉を忘れて、立って歩けなくなっていった。
あの生意気な健一がこんなに可愛く様変わりするなんて…、思いもしなかった…。
…おかしな感覚だが、そう表現するのが正しいように思う。
私は息子と過ごした大切な時間を忘れながら日々の生活を繰り返していたに違いない…。
今、ようやくそのことに気が付いたのだ…。

やがて健一は赤ん坊にまで後退し、まもなく出生の日を迎えようとしていた。

健一が生まれたその日、私と妻は産婦人科の病棟にいた。

寝台に横たわる妻は、生まれたばかりの健一を抱きかかえ、幸福に満ちた笑みを浮かべていた。
看護婦に連れ添われ、親子3人で長い廊下をゆっくり移動していく…

そうだ…健一…、もうすぐ「お別れ」なんだな…。
この廊下を渡り終えたらもう二度と会えない…。

やがて健一は妻と共に、分娩室へと消えていった。

さようなら…、ありがとう…、健一…。
お前は私の自慢の息子だったよ…。


息子が居なくなり、私の逆流人生は、妻・早紀との生活が中心となった。
私も随分と若返ったが、早紀もまた、若く、美しくなっていった。
結婚して十数年後には愛想笑いもしなくなるのだが、この頃の早紀は笑顔を絶やさなかった。
私も早紀の笑顔を見ていたくて、彼女を笑わせることに夢中になっていた。

やがて時は結婚前にまで遡り、俺達は毎日のように、いろんな所でデートをした。
早紀は子供のようにはしゃいだり、映画を観て涙を流したり、時には声を荒げて怒ったりもした。

早紀…、君がこんなに魅力的だったなんて…。
彼女は会うたびに初々しくなって、俺は益々、早紀に惹かれていった。

そして…もうすぐ、早紀と初めて逢った日…、
また「別れ」が近づいてきているのか…。

その日、終電間際の駅のホームで、俺は早紀と二人きりになる。
各駅停車でしか乗り降り出来ないその駅で、俺はたった一人で乗換待ちをしていた。
ホームに入ってくる電車の手前から3両目、その車両がちょうど俺の目の前で停車するまで、ずっと見ていた。
目の前の扉が開き、早紀が笑顔で小さく手を振りながら降りてきた。
彼女はそのまま俺の横に座り、お互いが手にしていた本の話題で盛り上がった。
そのとき、俺が時間潰しに読んでいた当時のベストセラー小説を、彼女もこの駅の乗換待ちで読むために持ち歩いていたんだ。
長いようで短いひとときが過ぎ、やがて電車がやってきて、早紀を吸い込んで消えていった。

これでもう、早紀に逢う事は無い…。
泣きたいくらいに切なかったが、涙は出ない…。

俺は何事も無かったかのように、小説のページを冒頭に向かって捲っていった。


早紀とも別れ、オレは学生に戻った。
学生のオレは、バンド活動に明け暮れていた。
ステージで…、ライブハウスで…、スタジオで…、仲間と音を共有し、興奮と熱狂を味わう。
オレは自分で作った曲を全身で聴いていた。
勿論、逆再生だが、今のオレにはあの頃(つまり、今)聴いたときと何も変わらない。
純粋に音楽を愛するオレがそこにいた。

家に帰れば、親父とお袋がいる。
二人ともまだ元気で、この頃のオレは親父と毎日ケンカしていた。
ちょうどオレもそんな時期で、そう、オレとオレの息子、…えーと、ケンイチ?…がそうだったように、素直になれずにギクシャクしていた。
改めて考えると、オレってかなりワガママだったよなぁ…。
親父やお袋の言ってること、間違ってないよ…。
オレのこと、真剣に考えてくれてるんだって、今なら分かるんだ…。
ゴメンな…、世話ばっかり掛けちまって…。


…最近、目線が、目に見えて低くなっていく…。
僕も、もう小学生になった…。
そして、それももうすぐ終わろうとしている…。

お父さんとお母さんは、どんどん若くなっていった。
いつも僕を見てくれていて、微笑みかけてくれる…。
やさしく話しかけてくれる…。

おとうさん、おかあさん、いつもありがとう…。


ぼくはもう…あるけない…、ことばをしゃべれない…。

ママがぼくをみて、わらっている…。
とてもうれしそうに、わらっている…。
こんなにうれしそうなママをはじめて、みた…。



…そうか、もうすぐ私の人生が、終わろうとしている…。
母が私の誕生を喜んでいる…、父も泣いていた…。

決して見ることの出来ない光景だと思っていたこの瞬間を、確かに私は記憶していた…!
父と母が愛し合い、私は望まれてこの世に生を受けた…。
父さん…、母さん…、ありがとう…。
私は二人の子に生まれて幸せでした…。
今、その幸福を噛み締めています…。
もう間もなく、この授かった命が、終焉を…いや…、始まりを迎えようとしています…。

私の産声が、宙を舞い、そして、私の小さな喉の奥へと吸い込まれて消えてゆく…。
両の瞼がゆっくりと閉じながら、私の逆流人生の幕引きを告げた…。


さようなら…素晴らしき人生…。




再び目を開くと、すぐそこまで灰色の地面が迫って来ていた。


…飛び降りた理由?

…。
駄目だ、思い出せない…。

無理も無い…、もう40年以上も前の話だ…。




『REVERSE⇔REBIRTH』:yosssy(2005/01/28)
by YosssingLink | 2005-02-03 02:47 | ショートショート | Trackback | Comments(13)

年末特番!伝説の怪物、ビッグハンバーグを追え!

みかん王国○山市に太古の昔から棲んでいるという伝説の怪物『ビッグハンバーグ』。
目撃証言によると、それは体長25㎝、体重500gはあろうかという巨大な生物、
現地を訪れた観光客にも度々目撃されているが、未だに死体や化石が発見されておらず
その実体は謎に包まれたままである。
今回番組に寄せられた目撃証言の真相を確かめるべく、我々は現地へ飛んだ。


c0006445_285992.jpgビッグハンバーグの目撃例が集中している村『アムール』。
ビッグハンバーグとはアムール語で『巨大な肉塊』を意味している。
アムール村では先祖代々、ビッグハンバーグを神として崇めているという。


我々が村に入ると、村人が声を掛けてきた。

村人「ご注文はお決まりですか?」

これが現地の挨拶である。

では早速、ビッグハンバーグのことを聞いてみよう。
「あのう、このあたりにビッグハンバーグがいると…」

我々がビッグハンバーグの名を口にしたとき、村人が即座に反応した!
「ビッグハンバーグですね?かしこまりました~。」

それだけを言うと、村人は村の奥へと消えていった…。
どうやら「ビッグハンバーグ」と聞いて、我々の目的を瞬時に察知したらしい。
村人にとってはビッグハンバーグはそれほど珍しいものではないのだろうか?
とにかく、もう少し詳しく話を聞いてみる必要がありそうだ。
うまくいけばビッグハンバーグの巣に案内してもらえるかも知れない。

だがしばらくして、あの村人が両手に何かを携え戻ってきた。
そして我々はその村人によって驚くべき光景を目の当たりにする!

「お待たせ致しました~。ビッグハンバーグになります。」

通訳のスタッフが興奮気味に我々に伝える!
「コレがビッグハンバーグの死体だと言ってます!」

なんと、村人が我々の前に運んできたのはビッグハンバーグの丸焼きだった!
言われてみれば、形、大きさ、そして付け合せの野菜…
確かに証言と一致している!
やはりビッグハンバーグは実在していたのだ!
だがなぜ丸焼きなのか?
村人によれば、客人はビッグハンバーグの丸焼きでもてなすのがしきたりなのだという。

ついにビッグハンバーグの決定的な証拠を掴んだ!
だが、こうなれば、是非生きたままビッグハンバーグを捕獲したい!
だが村人によれば、ビッグハンバーグは神聖な動物であり、よそ者に会わせることは出来ないという。

村の戒律を破るわけにもいかず、我々は仕方なく、捕獲をあきらめ、丸焼きを頂くことにした。

●世界初!このあと、ビッグハンバーグの生態の謎に迫る!

c0006445_222048.jpgこれが世界で初めて公開されるビッグハンバーグの全身を捉えた写真である。
その大きさがお分かり頂けるだろうか?
大きさを比較するため、写真の中央下に100円玉を置いてみる。
このサイズであれば、体重は裕に500gは超えているだろう。
報告されている中でも最大級のものと言っていい。




c0006445_2233646.jpg上の写真の矢印が示す部分(100円玉)を拡大してみる。
ハッキリと人の顔が浮かんでいるのが分かる…。





では味はどうだろうか?

我々は恐る恐る、ビッグハンバーグの肉を口へと運んだ。

「う…、旨い!」

ビッグハンバーグはその外見とは裏腹に、美味であった。
外側はやや柔らかく、中央付近の肉は弾力があり、食文化の全く違う我々でも意外とすんなり受け入れられる食感である。

だがこの後、我々の身に思わぬ災いが襲い掛かる…!

c0006445_2271693.jpg我々がビッグハンバーグの半身をたいらげた頃、ふと体が重くなるのを感じた。
おかしい…、先程まで食が進んでいたのに、急に体が受け付けなくなった?!
だがここでやめるわけにはいかない。ビッグハンバーグを食べ残すことは、神への冒涜を意味するからだ。
我々は苦痛に耐えながら、ビッグハンバーグの肉片を次々口へと運んだ。
この苦しみは、もしかしたら、興味本位で神聖な領域へと足を踏み入れた我々への戒めだろうか?



c0006445_228269.jpg伝説のビッグハンバーグを完食。
体の中に、何か神々しいものが宿ったように感じる…。
「神を食することで、神の力を得る」…。
村にはそんな言い伝えもあるのだという。



今回の取材で、我々は生きたビッグハンバーグに出会うことは叶わなかったが、
ついにその存在を明らかにすることに成功した!
あなたも現地へ行けば、生きたビッグハンバーグに出会えるかもしれない…。

(取材費:1,080円、ライス付)
by YosssingLink | 2004-12-20 02:59 | ネタ帳 | Trackback | Comments(0)